加味逍遥散(かみしょうようさん)って、何ですか?  (回答 ナンブ薬剤師 二宮洋一)

加味逍遥散は漢方薬であり、健康食品ではありませんので、それなりにきちんと使う必要があります。今回は加味逍遥散をきちんと使うために必要なことについてお話ししたいと思います。


まず、漢方薬を使うのに医師の確定診断はいりません。つまり、病名がきちんとついていなくても、イライラしてつらい、イライラだけでなく頭痛、肩こりもつらい、イライラして夜も眠れないなど、実際につらい症状があるのであれば、それが病気として認定されてなくても(この状態を「未病」といいます)、そのつらい症状を取り除くために加味逍遥散を使うことができるということです。


次に、加味逍遥散は中間的な体力の人に使われます。

漢方では、体力的に強い人(実証)と弱い人(虚証)にわけて薬を使い分けますが、加味逍遥散は両極端ではない人に使われるということです。

実証、虚証については漢方では重要な概念ですので、また項を改めてご説明します。


もちろん実証の方が加味逍遥散を服用したからといって何か問題が出るわけではありません。ただ効果が出づらくなるので、そのような方には実証の人向けの桂枝茯苓丸や桃核承気湯をお勧めします。

また、虚証の方には当帰芍薬散をお勧めします。ただ加味逍遥散は虚証の方にも効果があります。その場合薬がやや強すぎて気分が悪くなったりすることがありますので、加味逍遥散を中止して当帰芍薬散に切り替えたほうがよいと思います。


とはいえ、実際には実証と虚証の区別はむずかしいです。

典型的な実証、典型的な虚証という方はきわめてまれで、ほとんどの方は実証の面と虚証の面を併せ持っているというのが普通です。


あえていえば、今活躍中の全日本バレーボール女子の選手のように、筋肉質でがっちりしていて声も大きいという方が実証で、子供のころからひ弱で病気ばかりしていて声も弱弱しいという方が虚証ですが、ほとんどの方はそのどちらでもない中間証だと思います。


つまりほとんどの方に加味逍遥散は効果があるはずですが、飲んでも一向に改善されないという方は実証の方用の桂枝茯苓丸、加味逍遥散を飲んでいると気分が悪くなるという方は虚証の方用の当帰芍薬散に変更する必要があるということです。